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通路がすべりやすい環境にある食品工場では、従業員の安全性や生産効率に大きく影響します。
滑りやすい通路は、従業員の転倒事故発生率が高まります。
怪我や労災のリスクを高めるだけでなく、転倒事故が起これば、生産ラインの停止や遅延につながる恐れもあります。
この記事では、食品工場で通路が滑りやすくなる原因とその対策について、詳しく解説します。

食品工場の環境と通路の特徴

食品工場は、他業種の工場と比べて水の多用や湿度の高い工場が多く、床や通路がウェットになりやすい傾向にあります。
例えば、以下のような特徴があります。
| 床が濡れる状況 | 滑りやすくなる原因 |
| 湿度の高い環境 | 清掃や食品加工の工程では大量の水を使用するが、水分が床に残ると滑りやすくなる |
| 油脂や食品の残留物 | 製造や加工中に発生した油脂や食品くずが床に付着すると、滑りやすさが増加する |
| 温度差による結露 | 冷却設備や冷凍庫周辺では、温度差によって結露が発生し、床が濡れて滑りやすくなる |
通常、工場の通路は、設計段階でウェットエリアとドライエリアに区分けされます。
ウェットエリアの床には滑り止めとして、専用塗料を塗装したり、コンクリート打設時にワザと傷をいれたりします。
一方、ドライエリアの床は、基本的に水で滑ることはなく、コンクリートの打ちっぱなしやエリア分けの簡易塗装を施します。
また、一般的な食品工場の通路は、安全を確保するため、通路の幅が法律で定められており、製造エリアと区分けされています。
ただし、通路に隣接するウェットエリアの水や湿気ですが、通路まで広がると床が滑りやすくなり、転倒事故を誘発するので注意が必要です。
通路がすべる主な原因
食品工場の通路がすべる主な原因は以下の6つです。
- 水分や湿気の影響
- 油や脂肪の付着
- 食材くずや資材ごみの散乱
- 温度差による結露
- 通路のゆがみ
- 不適切な床材の選択
それぞれ詳しく解説します。
水分や湿気の影響
食品工場では、製造過程や清掃時に水を使用します。
例えば、製造エリア内に通路を設けている場合、製品の冷却工程において、冷却水のオーバーフローで常に床が濡れています。
さらに、工場内の清掃作業、設備の洗浄などで大量の水を使用しますが、その際も一時的に床が濡れます。
また、茹で工程や蒸気殺菌工程では、水蒸気が発生します。基本的に発生した水蒸気は、排気ダクトで屋外に排出されます。
ただし、吸排気のバランスが悪いと排気しきれず、周囲に広がります。
室内に残った水蒸気は、室内温度との気温差によって冷却され、通路に結露として残ることがあります。
油や脂肪の付着
揚げ物や食肉加工などの調理工程がある食品工場では、食用油や肉の脂肪分が床に飛散します。床に落ちた油分はすべりやすく、油分が蓄積すると、さらに滑りやすい状況に陥ります。
また、床に落ちた油分を放置すれば、従業員が油分をさらに拡散し、すべりやすいエリアが広がります。
特に、油が床材に浸透すると清掃が困難です。落ちにくい場合、床材に用いる塗料やコンクリートに悪影響を及ぼす可能性のある洗浄剤や薬品の使用を余儀なくされます。
食材くずや資材ごみの散乱
食品工場では、製造や加工中に食材のくずやゴミが発生します。生ごみや包材のごみなどが通路に落ちれば、足元が不安定になり、滑りやすさが増します。
特に、野菜や果物の皮などの湿気のある生ごみや脂肪分のある肉片は、すべりやすさを助長します。
食品工場では、包装機を使用している工場も多数あります。包材の切り替え時に発生する包材ごみを床に放置した場合、誤って従業員が踏むと足がすべり、転倒事故につながる恐れがあります。
温度差による結露
食品工場の多くには冷凍庫や冷蔵庫があります。
これらの低温設備の周囲では、外気との温度差によって結露が発生します。結露が床に落ちることで、滑りやすい環境が作られます。
通路のゆがみ
食品工場でも、地震や地盤の状況、長期使用によるすべり止め塗料の剥離などの影響により、通路への水分流出や凹凸のくぼみが深ければ水がたまる可能性があります。
不適切な床材の選択
通路の床材が食品工場の環境に適していない場合、通路が滑りやすくなることがあります。
例えば、平滑なタイルやコンクリートの床材は、水分や油脂が付着すると特に滑りやすくなります。また、床材の老朽化が進むと、摩擦力が低下し、滑りやすさが増します。
通路が滑りやすいリスク

何らかの影響により、通路が滑りやすくなった際には、さまざまなリスクがあります。以下では、主なリスクを3つご紹介します。
- 労働災害リスク
- 生産効率の低下
- 食品における安全性への影響
それぞれ見ていきましょう。
労働災害のリスク
通路がすべりやすい場合、従業員の転倒事故を引き起こす可能性が高まります。
転倒による怪我は、打撲や骨折だけでなく、長期的な身体の不調や労働能力の低下を招くこともあります。就業中に発生した転倒事故も労働災害の対象であり、労働基準監督署の指導が入ります。
労働基準監督署は、工場に対して再発防止策を指導します。工場は、再発防止策を検討し、労働基準監督署に対して改善報告の義務を課せられます。
その際、改善に多額の修繕費用を投じるケースもあれば、簡易措置で対処できる場合もあります。
労働災害が頻発する食品工場は、労働基準監督署が問題のある工場と判断し、1年間などの期限付きで監視対象になる恐れがあるので注意が必要です。
生産効率の低下
滑りやすい通路は、従業員が慎重に移動する必要があり、作業効率が低下します。また、転倒事故が発生すると、一時的に作業が中断するため、全体の生産スケジュールにも影響を及ぼします。
せまた、生産効率が低下するだけでなく、状況によっては得意先の納品時間に間に合わず、迷惑をかける可能性があります。万が一、納品できなければペナルティを課せられる恐れもあり、注意が必要です。
食品における安全性への影響
滑りやすい通路で転倒した際には、床の汚水が飛散し、食品や器具が汚染される可能性があります。
例えば、作業者が運んでいる食品が床に落ちた場合、きれいに洗浄・殺菌できれば問題ありません。しかし、少しでも汚水が付着していると、食材に雑菌が繁殖し、腐敗や食中毒の原因になる可能性があります。
また、通路に水がある場合、慎重に歩けば汚水の飛散も抑えられますが、走ると汚水が広範囲に飛散し、食材や製造機械・器具などが汚染される可能性があります。
このように床や通路が水で濡れている場合、食材や器具などが汚染されるリスクが高まり、食品の安全性が損なわれることがあります。
その結果、製品の品質や消費者の健康に悪影響を与える恐れがあるので注意が必要です。
通路のすべりやすさを防ぐ対策

通路のすべりやすさを防ぐことで、転倒事故や労働災害の削減、食品の安全性を確保できます。以下では、主な防止策を5つご紹介します。
- 適切な床材の選定
- こまめな清掃とメンテナンス
- 床面の排水設備の整備
- 防滑マットの導入
- 定期的な安全点検と教育
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な床材の選定
食品工場の通路には、滑りにくい床材の使用が重要です。
例えば、エポキシ樹脂やノンスリップタイルのような床材であれば、耐久性やすべりにくい特性があり、すべりやすさを軽減できます。また、床材の表面に特殊加工を施せば、さらに摩擦力が高まります。
こまめな清掃とメンテナンス
定期的に床を清掃することも、すべりやすさの軽減対策として効果的です。床に付着した油脂や水分、食材のくずが蓄積しないように定期的に清掃します。
特に油脂汚れは、専用洗剤や化学薬品を使用し、徹底的に除去することが大切です。
また、清掃後には、床を完全に乾燥させることも重要です。乾燥が不十分な場合、残った水分が再び滑りやすさを引き起こす可能性があります。
さらに、雑菌や害虫の温床にもなりやすく、衛生面でも問題を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
床面の排水設備の整備
水分が床にたまらない適切な排水設備の整備も重要です。
例えば、以下の方法があります。
- 床面の傾斜を調整し、床の水が排水溝に流れやすくする
- 床面に水が溜まりやすい場所の近くに排水溝を設置する
水が床面に滞留しないように工夫し、すぐに水分が排出されれば、床面の乾燥も速く、すべる危険も軽減できます。
防滑マットの導入
特に滑りやすい場所には、防滑マットの設置も効果的です。
防滑マットは、通路全体ではなく、油や水分が発生しやすいエリアを特定して配置します。エリアを限定することで、効率的な滑り止め効果を発揮します。
定期的な安全点検と教育
すべりにくい通路を維持するには、定期点検も重要です。定期的に通路の状態を点検し、問題があればすぐに修繕や補修などの対処をしましょう。
また、従業員に対して安全教育を行い、すべりやすい場所や状況を認識させることで、事故の発生リスクを軽減できます。
特に、油や水分が床にこぼれた場合は、すぐに現場責任者や担当者に報告するよう促すことも有効です。
まとめ:食品工場の通路がすべりやすい原因とは?転倒防止対策も解説

食品工場における通路のすべりやすさは、労働災害や生産効率の低下、さらには食品の安全性にまで影響を及ぼす重大な問題です。
水分や油脂、食品のくずなど、すべりやすさを引き起こす要因は多岐にわたります。適切な床材の選定や清掃、メンテナンス、防滑対策を講じることで、これらの問題を未然に防げます。
ただし、コンクリートや特殊塗料などは、最低でも1週間程度の乾燥期間を設けることが一般的です。
そのため、1週間も生産を止められない365日稼働の食品工場では、床の補修作業は困難です。
また、日配関係で毎日納品している食品工場では、得意先の品切れは売上の機会損失やお客様の信頼を損なう恐れがあるため、細心の注意が必要です。
例えば、食品工場の補修作業で、同業者に一度でも応援依頼をした場合、そのまま同業者に得意先の商品棚を切り替えられる可能性があります。
実際、勤務していたときに、得意先に棚を切り替えていただいた経験があるので実話です。
以上のように、床面の大がかりな修繕を要する場合は、修繕コスト施工日数が必要です。
売上の機会損失を防ぎつつ従業員の安全を確保するには、定期的な補修が大切です。
さらに、食材や機械・器具だけを大切に扱うのではなく、設備も大切に扱うように従業員教育を実施することが求められます。


