食品工場の暑さ対策とは?注意点はデマンドと熱中症!

食品工場

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食品工場の管理者や責任者、暑さ対策で次のような悩みを抱えていませんか?

「作業場が2階にあって屋根が熱せられる影響で室温が下がらない」
「食品製造(加工)工程の室温が下がらない」
「白衣の通気性が悪く、作業員が熱中症にならないか心配だ」

このように、食品工場では、熱源を必要とする作業工程があり、思うように室温を下げられない要因があります。

しかし、従業員の体調を考えると、できるだけ電気代を抑えつつ、作業場の室温を下げる方法を思案していると思います。

この記事では、食品工場の暑さ対策について、食品工場に17年勤務し、暑さ対策に苦労した経験のある筆者がわかりやすく解説します。

また、この記事を読めば、工場全体を冷やす方法や作業員の熱中症対策としてすぐに実施できる方法がわかります。

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食品工場が暑い原因

食品工業が暑い原因は、主に3つです。

  • 地球温暖化による外気温の上昇
  • 製造(加工)工程における熱源の温度
  • 作業服の通気性・速乾性

それぞれ、以下で詳しく解説します。

地球温暖化による外気温の上昇

製造(加工)工程で使用する石油(重油)・石炭・天然ガスなどの燃焼、廃棄物処理施設の焼却時に発生する温室効果ガスの増加に伴い、地球温暖化が進んでいます。

その影響により、外気温が年々上昇しており、食品工場では早急な暑さ対策が求められています。

特に、加熱工程や密閉空間の多い製造現場では、外気の高温に加えて内部発熱も重なり、作業環境の悪化が顕著です。

冷房設備の強化やスポットクーラーの導入、換気システムの見直しといった対策が進められていますが、それに伴う電力消費の増加も課題となっています。

従業員の健康管理や製品の品質維持のためにも、外気温上昇への対応は喫緊の課題です。

工場ごとの構造や生産工程に応じた柔軟な対策が求められています。

製造(加工)工程における熱源の温度

食品工場の製造(加工)工程では、加熱殺菌、フライヤー、オーブン、蒸気加熱装置など、多様な熱源が使用されており、その温度は200℃を超える場合もあります。

これらの高温機器は、製品の衛生や品質確保に不可欠ですが、作業空間の温度上昇を引き起こす要因でもあります。

特に夏場や外気温が高い日には、室内の熱と外部の暑さが相まって、室温が40℃を超える作業場もあります。

さらに、熱源に蒸気を使用する作業場では、湿度が80%以上になることもあり、サウナ状態で作業する人は熱中症のリスクが高まります。

そのため、企業側は熱源周辺の断熱処理や排熱システムの導入、作業動線の見直しなど、作業環境の改善に向けた取り組みが求められています。

作業服の通気性・速乾性

食品工場の作業環境では、高温多湿な状況下でも快適に作業できる作業服の通気性と速乾性が重視されます。

加熱工程や密閉された空間では、熱中症対策として作業者の体温上昇や過度の発汗を避けることが重要です。

対策できなければ、不快感や熱中症リスクの要因となります。

通気性の高いメッシュ素材や、汗を素早く乾かす吸汗速乾性のある繊維を使用した作業服は、こうしたリスク軽減に寄与します。

また、衣類内の空気循環を促進する設計や冷感素材の採用も効果的です。これらの機能性を備えた作業服の導入は、労働環境の改善と生産性の維持に直結します。

食品工場における3つの暑さ対策

食品工場における暑さ対策のポイントは、主に以下の3つです。

  • 工場全体を冷却する
  • 室温を下げる
  • 作業服を通気性・速乾性のある素材に変更する

以下で、詳しく見ていきましょう。

工場全体を冷却する

まずは、建屋を直接照射する太陽光の遮断方法を検討しましょう。太陽光を遮断すれば、建屋に熱がこもりにくくなり、室内の冷却効果も高まります。

たとえば、下表のような対策が効果的です。

対策主な施工方法・効果・注意点
遮熱塗料の塗布・屋根や外壁に遮熱効果の高い塗料を塗る
・施工も比較的簡単
・既存の建物にも対応可能
・製造(加工)中でも施工できる
・原材料等の入荷、製品出荷にも影響しない(通常業務の入出荷が可能)
・施工時には周囲への配慮が不可欠(薬品臭による近隣住民への被害など)
遮熱シートの設置・アルミなどの反射素材を用いたシートを屋根裏や壁面に貼る
・熱の侵入をブロックできる
・外貼り・内貼りの両方に対応可能
・施工場所によっては、工場稼働中でも施工可能な場合がある
太陽光パネルの設置・太陽光パネルを設置すれば、屋根に影ができ、太陽熱の遮断効果もある
・自然エネルギーの有効活用
・消費エネルギーの補填に役立ち、電気コスト削減に効果的
・機器の設置、メンテナンス、撤去に高額な費用がかかる
屋根・屋上の緑化・屋上に植物を植えることで、蒸散作用によって温度上昇を抑えられる
・景観や環境配慮の観点からも注目されている
・実施場所が限られる(平らな屋上が必要)
・屋上緑化を専門に扱っている業者もある
・害虫・害鳥などが寄ってくる可能性あり
・植物を扱うため、日々の手入れが必要
断熱材の追加施工・遮熱と併用すれば、熱の侵入を遅らせられる
・室内温度の安定化に寄与
・特に冬季の保温効果も期待できまる
・主に屋根裏や壁面内部に施工
・建物の構造によっては追加施工できないケースあり
・施工範囲や建屋の構造次第で、施工費用が高額になる可能性大

多くの工場は鉄筋コンクリートで造られており、コンクリートは熱を吸収する性質があります。

そのため、基本的に、工場の建屋全体を冷やせば室温は下がります

ただし、工場全体を冷却するするには、大掛かりな対策や追加施工が必要です。

ランニングコストを考慮すると、エアコンなどの冷房設備で室温を下げる費用と差がないかもしれません。

室温を下げる

室温を下げるにしても作業場がいくつもあったり、作業場内で焼成・蒸す・熱殺菌などの熱源があったりする場合は思うように下げられません。

ここで諦める担当者の方も多いのではないでしょうか。

工場全体を冷却できなければ、部屋単位で冷却しましょう。

熱源を必要とする作業場は、冷却よりも排熱効果を高める対策が効果的です。

特に、蒸気を使用する作業場では、まず蒸気を排気し、室内の湿度を下げることが先決です。

ただし、いくら蒸気を排気しても、熱源が作業員の目の前にある場合は、室内全体の冷却効果はあまり意味がありません。

その際には、スポットクーラーの導入やこまめな休憩が有効です。

たとえば、私が勤めていた工場では蒸気を使用しており、排気対策を講じていました。それでも室内は暑く、従業員はスポットクーラーで対応していました。

また、私が経営者に提案していた内容をひとつご紹介すると、「熱源付近で作業する従業員に対し、夏季手当を月額1万円でも支給してはどうか」と相談していました。

私が退職するまでに実現できませんでしたが、今は少し違うのかもしれません。

食品工場の熱源付近に加えて、夏場の作業は本当に地獄です。

特に汗かき体質の人にとっては、ストレスになるくらい嫌な現場です。脱水症状や熱中症リスクがあり、汗による股ズレや脇ズレにもなりやすいです。

責任者や管理者の方は、従業員の体調管理、モチベーション維持も含めて室温を下げる対策を講じましょう。

Amazonでは、スポットクーラー2口タイプ(100V・200V)や1口タイプも扱っています。

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作業服の通気性・速乾性のある素材に変更する

工場全体の冷却、室温を下げる、どちらも設備投資が必要です。

その点、作業服の改善は、すぐにでも取り組める改善方法であり、ユニフォームの製造会社は常に通気性や速乾性のある新商品を開発しています。

異物混入の観点から半袖・短パンというわけにはいきませんが、通気性の良い作業服を購入・交換することは可能です。

また、作業服の支給は1人1着、もしくは2着が一般的です。

従業員の中には、多汗症の人もいます。支給枚数を汗をかきにくい人と同じにすると、多汗症の人は帽子から長靴(作業靴)までズブ濡れになり、返って不衛生になります。

たとえば、私は経営者と相談し、福利厚生の一環として毎年1着(帽子・作業服・作業靴)を支給してもらえるようになりました。

その際、通気性や速乾性の高い素材の作業服(ユニホーム)を探しました。

良い素材を使ったユニホームは少し高額でしたが、脱水症状や熱中症などの労災を考えるとユ二ホームの変更は必然です

ただしコスト面を考慮し、汗をかきにくい作業場(通年:室温が15度以下)の人は、自己申告で支給を拒否できるようにルールを定めています。

ユニホームの支給と言えど、従業員が多い企業にとっては、かなりのコスト負担になります。

しかし、従業員は作業服を自分で購入(1着:約1万円)する必要がないため、従業員のモチベーションにも寄与します。

また、作業靴や長靴は、3か月くらいで親指・小指・かかと・靴底の付近に穴が開きます。そのため、年間に3~4回の買い替えが必要です。

私の経験では、「どうせ、3か月くらいで買い替えるから、安い長靴(1,980円程度)を買いました!」とか、「〇〇のホームセンターが安かったですよ」など、みんなで安い長靴を探して情報共有していました。

その内、1回でも会社から支給してもらえると出費が抑えられるため、従業員にも好評でしたよ。

ここでご紹介した事例は、会社の業績によって対応が別れます。一例として参考にしてください。

Amazonでは、下記商品も扱っています。

【長靴(ホワイト)】
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【作業靴(ホワイト)】
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・サイズ:22.0~29.0cm
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食品工場運営を左右する室温を下げる3つの方法

食品工場で室温を下げる方法は次の3つです。

  • 熱源の熱気を排気する
  • エアコンを使用して室温を下げる
  • 食品工場の建屋の温度を下げる

それぞれ詳しく解説します。

熱源の熱気を排気する

焼く・蒸す・ゆでるなど、食品を加工する基になっている熱源の換気や室内の吸排気を調整することで室温は下げられます。

例えば、室内は陽圧にして外気が室内に侵入しないように室内の圧力を調整します。そうすることで、屋外の熱い空気は室内に入らず、換気をすれば室内の熱い空気は屋外に排出されます。

ただし、換気扇の排気量が多くなると、室内が負圧になって屋外や隣接している部屋や通路の熱い空気が室内に流入するので、うまく調整しなければ意味がありません。

エアコンを使用して室温を下げる

エアコンを使用して室温を下げる方法が最もポピュラーですが、熱源があると思うように室温は下がりません。

また、蒸す・ゆでるといった製造工程があると、湿気もあるのでサウナに入っている状態になり、従業員は熱中症になる可能性があります。

そのため、機械設備や建屋にも悪影響を及ぼしかねないので、そんな場合はエアコンの増設や冷却能力の高いエアコンに交換することも検討しましょう。

食品工場の建屋の温度を下げる

夏場の外気温は年々高くなっており、建屋自体が太陽光や外気温で熱せられると工場内に熱気がこもります。

工場全体を冷却する方法を3つご紹介します。

  • 屋根に散水する
  • 屋根の上に空間を作って工場全体を覆うような囲いを作る(カバー工法)
  • 遮熱効果のある塗料を外壁や屋根に塗布する

どの方法も設備投資やランニングコストがかかるため、費用対効果を検討してから取り入れる必要があります。

たとえば、私の経験では、2015年頃にカバー工法の見積もり依頼をしましたが、約2,000万円前後でした。

古い建屋でサビによる腐食修理もあり、屋根の広さは体育館くらいです。

見積り総額から修繕工事費を差し引いても、1,500万円程度はかかりそうでした。

今では、世界情勢の急激な変化により、同規模でも値上がりしているでしょう。

工場の規模や建屋の構造によっても価格は変動するため、この価格は、あくまでも参考程度にとどめてください。

また、屋根に散水する場合は、次の点に注意しなければ外壁などがサビによって腐食します。

  • 水に含まれる鉄分
  • 地下水殺菌時の残留塩素

たとえ残留塩素を0.1ppm以下に下げても外壁等に影響がでるため、地下水を使用する場合は特に注意してください。

私が勤務していた工場でも屋根に散水していた時期があり、確かに工場内の温度を下げる効果はあります。しかし、工場の使用水が不足するなど、別の問題が発生するので工場の規模によって検討してください。

また、建屋の外壁にツル系の植物を這わしている工場を見かけますが、確かに冷却効果はありますが、食品工場の衛生面からみると害虫の温床になりやすいので避けた方が無難です。

デマンド値に注意!

室内のエアコンや冷蔵・冷凍庫の冷却装置など、夏場にはフル稼働します。

電気の使用量を計測するデマンド値ですが、電気の契約量よりも多く使うと1ランク上の契約に変更しなければならず、一度変更すると一年間は変更した契約のまま料金を支払わなければなりません。

そのため、電気使用量のピークカットをする装置をつけることや、設定した電気使用量を知らせる警報機が鳴ったら、どの順番で使用電力を停止するか決めておくとデマンド対策に効果的です。

熱中症対策

作業員の熱中症対策は、主に次の5つです。

  • 定期的に水分補給をさせる
  • 食塩などを夏場の間だけ作業場に置く
  • 冷却効果や速乾性・通気性の良い作業服にする
  • 定期的に冷蔵庫に入って体温調節をさせる
  • 休憩回数を増やす

管理者は、作業員に対して注意喚起をすることしかできません。

しかし、経営者は食塩や塩あめ、作業服の変更、作業場には工場扇やスポットクーラーを設置するなど、あらゆる配慮が可能です。

私も経験しましたが、作業員が熱中症で病院に搬送されたことがあります。

事情を確かめると、前日に夜遊びをして寝不足の状態で仕事をしていた事実が判明。水分を取っていたにも関わらず、大量の汗をかき、限界を迎えたときに熱中症になりました。

このときの私は、作業員の私生活にまで口出しすることはできないので、「自己管理をしてください」としか言えませんでした。

今ではパワハラ、モラハラなど、昭和の時代を経験している世代にとっては注意すら気を遣う時代です。

そのため、食品工場の管理者にお伝えしたいのは「自分の体力を過信する作業員もいるので、細心の注意を払って作業員の体調に気を配ってください」ということです。

真面目で優しい性格や人見知りは、周りに迷惑をかけてはいけないとか、言い出せないから我慢しがちです。結果として熱中症になってからはじめて我慢していたことに気付きます

それでは手遅れになる可能性もあるので、我慢している作業員はいないか、改めて一人ひとりを注意深く観察してください。

まとめ:食品工場の暑さ対策とは?注意点はデマンドと熱中症!

今回は、工場の暑さ対策について解説しました。

年々気温が上昇して真夏日が増えており、夜でも蒸し暑くて工場内の温度が低下しない状況です。

そのため、あらゆる策を講じて食品工場の暑さ対策をしなければ商品の品質にも影響を及ぼしかねません。また、作業員や機械設備、モーター類にも負荷がかかり故障の原因になる可能性もあるのであらゆる面において注意が必要です。

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